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設定に難があるも心理戦は見応えあり『サイレンス』  ※ネタバレあり

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■□


□  6点
【あらすじ】
マディー(ケイト・シーゲル)は人里離れた一軒家に住む小説家。幼い頃の病気の後遺症で聴覚を失ってはいるが生活は自立しており、人当たりも良く友人も多い。
しかしある晩、ホラーマスクをかぶった謎の男が現れ彼女の友人を惨殺してしまう。そしてマディーにも魔の手が伸びる。
耳が聞こえないという圧倒的なディスアドバンテージを背負ったマディーは、果たして殺人鬼から逃れることが出来るのか!?
昨年は『ドントブリーズ』という、チンピラが盲目の老人の家に泥棒に入ったら返り討ちに遭い、殴られたり撃たれたりラブ注入されそうになったりする切れ味抜群のスリラーが一世を風靡しました。
本作『サイレンス』はその『ドントブリーズ』とほぼ同時期に製作された感覚障害者スリラー。しかしこっちは逆に襲われる側が聴覚障害なので主人公が圧倒的に不利です。どちらかと言えば『暗くなるまで待って』の方が近い。

心臓に悪い「志村うしろうしろー!」感が味わえる閉鎖空間スリラーの佳作です。
 

※ ネタバレ警告※ 
以下の記事にて作品の結末に触れています!未見の方は注意!

無理やり感あふれる設定

先にダメ出しをしてしまうと「耳が聞こえない非力な女性が殺人鬼に追いかけまわされる」というシチュエーションを成立させるために設定がかなり無理やり&こじつけです。
犯人は最初いつでもマディーを殺せるのですが、敢えてそうせずいたぶり続けます。イカレたサディスティック野郎です。しかし事態が自分に不利なってきてもなお余裕の態度を続ける理由が分からない。

マディーは殺人鬼が入って来ないように家中のドア・窓を施錠しますが、それより前に殺人鬼は家の中をウロウロしていました。殺人鬼は外に出たタイミングでマディーに締め出されてしまいます。・・・何がしたかったんだ?
その後もなぜか犯人は窓ガラスを突き破って侵入しようとせず、ひたすらマディーに恐怖を与えることにこだわり続けます。で、マディーに反撃されてちょくちょく怪我を負う。本当に何がしたいんだよ!
あまりの不自然さに「ひょっとしたらこの窓ガラスは無茶苦茶頑丈で、それを示唆する伏線があったけど自分が見漏らしているだけなのかも・・・」と思い始めたところで、犯人はおもむろに窓ガラスを割って侵入します。ちょ、おま、最初からそうしろよ
犯人が早々にホラーマスクを取って素顔を曝してしまうのも恐怖感半減です。
そもそもこの犯人、なぜマディーを襲うのか全く明かされません。映画を成立させるためだけに存在している「設定の入れ物」で、キャラになってない。
そうならそうで、初登場時から引き続きホラーマスクをかぶり続け「目的も正体も分からない理解不能の対象」として君臨した方がよっぽど怖いです。『イットフォローズ』みたいに。
でも例によって早い段階で素顔解禁で観客をがっかりさせます。しかもどうと言うことの無い普通のおっさん顔
どういう意図だったんだろう・・・。

反撃に転じる心理戦が熱い

と、作劇に難はありますがそこに目を瞑れば犯人vsマディーの心理戦は見応えがあります。
逃げ回ることだけを考えて全て裏目に出てしまうマディーが、最後に「助かるためには逆に犯人を殺すしかない」という結論に至る過程が丁寧かつ熱い。「 結末を予想する」という小説家としてのスキルが生存のカギになるのも良いですよね。芸は身を助ける。
耳が聞こえないことが不利ならば逆に相手はそう考えて油断しているところに勝機がある、という発想を映像化したクライマックスもトンチが効いています。「相手が勝利を確信したとき既にそいつは敗北している」というジョセフ・ジョースターの魂が体現されており、マディーは絶対第二部のファンでしょう。
どうでもいい点ですが「細菌性髄膜炎」で聴覚に障害が残ったという設定が芸が細かいですね。日本では予防接種の普及で細菌性髄膜炎自体がかなり珍しい病気になりましたが、アメリカではそうでもないのかしら?聴覚障害予防で病初期にステロイドとか使わないのかしら?アメリカの医療事情が垣間見えます。
大傑作ではないけれど適度なハラドキ感を満喫できる良作です。
『サイレンス』はNetflixで見放題配信中!

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