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steam配信という異色のアプローチ ニール・ブロムカンプ最新作『RAKKA』

おすすめ度








■□ 9点
※ただしグロ耐性ある方のみ
【あらすじ】
地球は醜いエイリアンに支配され、人類の築き上げてきた文明は崩壊した。
ある者は奴隷のように使役され、ある者はおぞましい人体実験の餌食となった。
絶望的な状況のなか、ジャスパー(シガニー・ウィーバー)率いるゲリラ組織は反攻に転じる。

Steam配信という異色のアプローチ

本作は人類vsエイリアンの闘いを描いたスタンダードなSFアクションです。
ただしそのクオリティは「スタンダード」の域をゆうに超えており素晴らしい迫力。単純にCGにお金かけてるとかではなく、ブロムカンプ節満点です。
ちなみに3部作のうちの第1作目という位置づけなので尺は短く20分強。3作揃って1本の映画並みのボリュームになるという寸法のようです。
本作は何しろsteam配信という着眼点が凄い。2部作目、3部作目の製作資金を調達するため、本編エイリアンのCGモデルや脚本、設定画集を本来パソコンゲームのプラットフォームであるsteamで販売するという前代未聞のビジネスモデルです。
クラウドファンディング はすっかり世間一般に浸透しました。かの傑作『この世界の片隅に』もkickstarterで製作費をギリギリ捻出したという話でした。しかしまさか映画中のCGモデルを販売して続編の製作費に充てる監督が出てくるとは。しかもそれがニール・ブロムカンプというのだからむべなるかな。

ニール・ブロムカンプ大復活!!

チャッピー CHAPPIE (字幕版)
ブロムカンプ監督は1979年生まれの若き俊才。
彼は2009年に『第9地区』を撮り一世を風靡しました。
人類とエイリアンの泥臭いやり取りが描かれる本作はアパルトヘイト(=人種隔離政策)でかつて悪評を集めた南アフリカ共和国が舞台に設定されており、白人vs黒人の歴史をそのまま人類vsエイリアンに相似させた風刺が評価されました。アパルトヘイト時代の南アに名誉白人という不名誉な称号を送られていた我々日本人にも身に積まされる皮肉です。
『第9地区』の大成功で一躍天才クリエイターとして脚光を浴びたブロムカンプは『エイリアン5』の脚本にも抜擢。順風満帆な活躍が嘱望されていました。
が・・・。
マット・デイモンを主役に起用した次回作『エリジウム』は微妙な評価に留まりました。続く『チャッピー』も評論家からの評価は芳しくなく、興行成績も右肩下がり。いつの間にか『エイリアン5』の企画も立ち消えになっていました。

ブロムカンプは果たして一発屋だったのか・・・。
しかし彼の長いキャリアはまだ始まったばかり!
Steamファンディングという飛び道具を引っ提げて彼は戻ってきた!その反撃の狼煙が本作『RAKKA』です!


帰ってきた『第9地区』

第9地区 (字幕版)
『エリジウム』と『チャッピー』で(比較的)マイルドになってしまった自分の作風を反省してのことなのか、本作では『第9地区』の爆裂残酷描写が戻ってきました。いや、よりパワーアップしています。
謎の未来兵器を食らうと人体が爆散するブロムカンプお約束の描写にとどまらず、人間のコレにアレを埋め込んだりアレがナニしたり、詳しく描写するとライブドアブログの規約に引っ掛かること請け合いのとんでもないグロ描写つるべ打ちです。

『エリジウム』はIMAXで上映するから暴力描写は抑えようかな・・・モジモジ。とかしていた(であろう)監督の抑圧が一気に解放されたかのようです。
『チャッピー』に引き続きSF映画のミューズ、シガニー・ウィーバーを起用していることからもその本気度が伺えます。

ほぼパイロット版みたいなものなので一本の作品としてはまだ評価は難しいですが、少なくともこの迫力は本物です。ただ悲しいかな日本語版がまだ無い・・・でも英語リスニングが自信無い人には朗報!Steam video playerで英語字幕を付ければ何とか話は追えます!
Steamストアページを見る限りでは続く2部作目、3部作目でもゴアゴアなハード描写が用意されているもよう。こ、これは期待できる!
『RAKKA』はゲームプラットフォームSteamもしくはYouTubeにて無料配信中!(そう言えばこのグロっぷりはYouTube的にはセーフなんだろうか?)
関連作『第9地区』はNetflixにて見放題配信中です!

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