海外ドラマ

新たなヒーロー譚はここから始まる『デアデビル シーズン1』

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おすすめ度

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■□ 9点
【あらすじ】
昼は弁護士、夜はマスクの怪人。

2012年。
ジョス・ウェドン監督『アベンジャーズ』はハリウッドの歴史を塗り替えました。

それまでのヒーロー映画は例えばバットマンならバットマンのシリーズ、X-MENならX-MENのシリーズと独立したフランチャイズを築いていました。
ところが『アベンジャーズ』では、他の映画では主役であるところのスーパーヒーロー、アイアンマンキャプテンアメリカが各々一人の登場人物として一本の映画に出演しました。いわゆるクロスオーバーです。

プリキュアでは日常茶飯事ですが、ハリウッドという超巨大な舞台でここまで踏み切ったのはこれが初。世界観にが一気に広がり、絶大なスケールに人々は熱狂したのでした。

『アベンジャーズ』のヒットによりヒーロー映画は黄金期を迎えます。同作をはじめとする一連のマーベルシネマティックユニバースは現在も更に拡大を続け、ライバル社であるDCコミックスも『バットマンvsスーパーマン』ほかクロスオーバー企画に余念が無いです。今や「セレブはヒーロー映画に出てこそ一人前」的な雰囲気さえあります(ベネディクト・カンバーバッチがアメコミヒーロー演るとか、ほんの数年前は誰も想像していなかったはず!)。

この熱狂はもしかしたら後年、ヒーロー映画バブルと呼ばれるのかも知れません。

しかし!私のようなチャイルディッシュな映画ファンにとってこの風潮は、たとえバブルだろうが本懐の極み
新しいアメコミ映画が発表されるたびにこの時代に生きてる喜びを噛みしめまくります。

Netflixマーベルシネマティックユニバース

この「クロスオーバー行け行け!風潮」はついにドラマ畑にも波及しました。
それがNetflixオリジナルドラマ『ディフェンダーズ』です。これを待っていた!!

デアデビル
ジェシカ・ジョーンズ
ルーク・ケイジ
アイアンフィスト

それぞれが独立した物語、独立した主役を持つ別々の話。これら4本をさらに別作品『ディフェンダーズ』でクロスオーバーさせようという企画です。

『アベンジャーズ』で大成功を収めた「先に単発のヒーロー映画を複数作り、あとからそれらを統合する」スタイルがドラマでも通用するかという壮大な実験とも言えます。

本作『デアデビル』は『ディフェンダーズ』へと続く一連のドラマの最初の一作。これが失敗したら後に続く3作品はおろか、『ディフェンダーズ』の去就にもかかわる・・・。
偉大すぎるご先祖『アベンジャーズ』と重すぎる子孫『ディフェンダーズ』に挟まれた本作の出来はいかに!?

・・・結論。無茶苦茶面白いです。

マット・マードック

何がすごいってまず主人公のマット(チャーリー・コックス)が凄い。
顔に布を巻いて正体を隠すならふつうは顔の下半分、鼻~口元を隠すでしょう。逆に上半分を隠したら何も見えなくなってしまいます。
しかし主人公マットは元々全盲。超人的に鋭敏な聴力を武器に戦う彼は、顔のどこを隠そうがお構い無しなのです。

そうしてできたビジュアルは文句なしに怖ぇ…。目隠し男がキレキレの動きで襲ってきます。

まったく洒落が通用しそうになく、まさに怪人。このビジュアルからしても、マットが人々に愛されるタイプの正義のヒーローではないことは明らかです。

そして彼自身も自分の暴力衝動におびえています。人助けがしたいから戦っているのではなく、単に誰かを殴りたいから自警活動をしているのではないか…ほんとうの悪魔は自分なのではないか、と。
彼が自身と向き合う場所として教会は何度も登場するロケーションです。悪魔(デビル)と信仰は切っても切れないのです。こうした彼の内面の複雑さがドラマに深みを与えています。

彼が自分を受け入れ「マスクの怪人」から「デアデビル」へと成長していく姿が話の縦軸になっていきます。スーパーヒーローものの本編と言うより、ある意味その前日譚なのです。

敵も一筋縄ではいかない

本作の悪役、ウィルソン・フィスク(ヴィンセント・ドノフリオ)の描きこみも凄いです。
フィスクは裏のニューヨークを支配する悪の大玉で、自分の邪魔になるものには徹底的に容赦しません。街の悪党も彼を極端に恐れており、フィスクの機嫌を損ねるや潔く自害します。

一方で芸術を愛する豊かな感受性の持ち主で、愛する女性には純朴と言っていい愛情を捧げます。ある意味では少年のような純粋さです。

「大切な人には限りなく優しく、そうでない人には限りなく残酷になれれば一人前だ」とは遠藤浩輝の傑作コミック『EDEN』に出てきた名セリフですが、彼がまさにそんな感じです。もう一人の主人公として魅力的に描かれていると言っていいでしょう。

斬新なリアリズム

マットは超越的な感覚の持ち主ではありますが、あくまで体は普通の人間。武術の心得があるとは言え毎晩のように生身で戦うので生傷が絶えません。というより毎回大ダメージを負い、ボロボロになって自宅に着くやバッタリ倒れこみます。そして翌日も弁護士として普通に出勤するので「ちょっ、おま、どうしたその傷!?」「いやあ、昨日転んじゃってさ~・・・」という苦しいやり取りがこれまた毎回繰り広げられます。

アメコミヒーローが傷つき倒れるのはある種のお約束ではありますが、日常的にボロボロになる様子がここまで生々しく描かれたのは本作が初めてではないでしょうか。ヒーローものとして実に斬新な表現です。

そして本作の華、アクションシーンはかなり見ごたえがあります。顔を隠して戦うという設定のおかげでスタントをフルに活用できるからなのか、もうキレッキレです。

一例を挙げるなら、私のお気に入り第2話『カットマン』のラストです。

敵の罠にはまり第2話にして瀕死の重傷を負うマット。しかし応急処置で急場をしのぐや、誘拐された少年を救いに敵のアジトに乗り込みます。
ここからがすごい
まず敵の人数やアジトの構造をじっくりカメラが写しだしていきます。そこへマスクの怪人ことマット登場。たむろする悪党どもに猛然と襲い掛かります。しかし技のキレが悪い!既に重症を負っている彼は、戦うどころかむしろ今にも傷が開いて死にそうです。それでも殴る、蹴る、戦う。全員倒し切ったときにはマット自身が虫の息です。それでも少年を救うために立ち上がる・・・ここまでなんとワンカット!すごい迫力です。

ボロボロになってもやるべきことがある。生々しい激痛描写とアクションの力強さはそのままマットの信念の強さを表わしています。

最初の一作として華々しい成果

ドラマ版『アベンジャーズ』と言える『ディフェンダーズ』。この世界観を築く最初の一歩として本作は素晴らしい成果を挙げています。
仮に『ディフェンダーズ』の企画がなくても、 伏線回収を続編に投げたりせず一本のドラマとして完成しているという点がなおさら凄いです。

いずれにせよNetflixで一度は見るべき作品筆頭です!おすすめ!



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