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完璧にして緻密『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー:リミックス』 ※ネタバレあり

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おすすめ度
■□  9点

【あらすじ】
おなじみ正義の宇宙悪人軍団が今回も大活躍。
規格外の超傑作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の続編。
やや湿っぽくなったことで前作ほどの突き抜けるような痛快さは失われてしまいましたが、豊富なキャラクターを限られた尺の中で魅力的に掘り下げる演出はさらに磨きがかかり、結果的に続編としてほぼ完璧な仕上がりになっています。
本当に凄いよジェームズ・ガン監督!天才だよ!

とりあえずのネタバレ無し感想
なんといってもギャグ&シリアスのバランスが素晴らしいです。

たとえば冒頭ではいきなり「ツカミ」として、主人公の面々が凶悪な巨大生物と激突します。うおおいきなりアガってきたぜー!と思いきや、怪物退治の顛末は音楽に合わせて踊るベビーグルートのはるか後ろでピンボケのまま展開していきます。なんじゃそりゃ!

このオープニングに始まり全編、シリアスに締めるべきシークエンスでちょくちょくギャグが挟まります。この手の演出はちょっとでもスベると「面白おかしい」から一転「ただの不真面目」になって途端に興醒めしてしまうものですが、ここが本作の凄いところ。ギャグとシリアスが渾然一体となっているにも関わらず笑うところは笑わせる、泣くところは泣かせる、ときわめて緻密に構成されています。

観客がリアクションに困るようなシーンが一つもなく、軽くて笑えるシーンの連打と思いきや実際は全体が一切無駄なくガッチリ作りこんであることに観終わった後に気付きます。

これは奇跡のバランス感覚と言っていいでしょう。

苦労人ならではの芸当!

監督のジェームズ・ガンはバカ映画の総本山トロマ・エンターテイメント」で映画人としてのキャリアをスタートさせています。
しかしあまりの低予算ぶりにスタッフを雇えず、監督はおろか撮影から脚本から映画製作に関わる何から何まで自分でこなしていた時期があったそうな。そういう事情で「全体を把握する」能力を血ヘドを吐きながら体得してきたガンだからこそのバランス感覚なのかも知れません。

キャラクター愛

キャラ同士の関係性にこそ個性宿る

さらに凄いのはキャラクター一人ひとりにしっかり血が通っている、いや魂が宿っていることです。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」と一口に言っても構成するメンバーは5人もいるし、そこへ今回は前作の中ボス・ネビュラやヨンドゥたちが深く絡んできます。かなりの大所帯です。にも関わらず全員キャラが立っており、各キャラ同士の関係も変化に富んでいます。

たとえばベイビー・グルート一人とっても
 ロケットにとっては相棒
 ガモーラにとっては息子
 ドラックスにとっては喧嘩相手(近所の生意気なクソガキ的ポジション)

のように相関関係に個性がばっちり反映されています。ひっくるめて「仲間」と定義するような大味さはなく、全員に魅力をアピールするシーンが巡ってくるように計算しつくされています。しかもテンポと効率がめっちゃ良い

脚本の立体感も素晴らしく、たとえば今回フィーチャーされているヨンドゥ

 ロケットと行動しお互いの人生を見つめなおすきっかけを得る
  →ピーターとの関係に反映される
  →それを見たネビュラにも気持ちの変化が現れる

各キャラクターを横断してエピソードが構成されています。これが全キャラ分用意されているのでもう構成の整理は半端な作業じゃなかったはず。
アイアンマンなどと違い、原作がそもそも二線級のキャラクターの寄せ集めに過ぎなかった「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」。そんな苦労人の彼らを深く愛するジェームズ・ガンならではの偉業です。

作品の感想と言うよりジェームズ・ガンを褒めちぎる記事になってしまいましたが( 実際彼の過去作『スリザー』も『スーパー!』も超面白い)とにかくこれぞ娯楽というパワーに満ち溢れた凄い映画です。
下手にマーベルシネマティックユニバースへの広がりを意識させず「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」だけで完結しているのもおさまりが良い。

必見です!

警告 ※ ネタバレ ※ 警告
以下の記事にて作品の結末に触れています!未見の方は注意!

カート・ラッセル平常運転

『ワイルドスピード』シリーズに出てきたときは絶対お前が黒幕だろ!と思いきや普通に良い人だったカート・ラッセルが、本作ではちゃんと悪い奴になってて安心。
何百万年も生きているような存在が家族を大事に思ったりするのか?そんな人間と同程度の倫理観を持っているのか?と漠然と感じる違和感が後に伏線として生きてくるのも憎い。やっぱ隅々まで計算づくなんだなー。

ヨンドゥ泣かせる

前作ではどちらかと言うと悪役ポジションだったヨンドゥ。ただし悪役と言っても根っからの悪人ではありませんでした。
お宝をピーターに騙し取られたことを後になって知っても怒るどころか逆に満足気に笑うだけ、という前作のラストでは、父親代わりとしてピーターの成長をむしろ頼もしく思っている面が端的に語られていました。

そのヨンドゥが今回はガッツリとフィーチャーされています。
例の矢(フィン?)に掴まって爆散する宇宙船からゆっくり降りてくるシーンが特に泣けました。
ピーター「メリーポピンズみたいだな」
ヨンドゥ「誰だそれ?いい男か?」
ピーター「・・・ああ、いい男だ」
ヨンドゥ「ガハハそうか!よーし、俺はメリーポピンズだぞー!!

もちろんピーターが言う「いい男」とはヨンドゥのこと。ヨンドゥに対する感情が父親に対する畏敬と愛情の念だったと気付くわけですね。
前作が反抗期ピーターなら本作は青年期ピーターなのかも知れません。 生みの親より育ての親、です。
メリーポピンズだぞーとはしゃいでいるのもかわいい。前作でガモーラがピンチの時に「まるでケビン・ベーコンね!」とトンチンカンな事を言っていたシーンに通じます。

ラストではあんなことになるなんて・・・。
ピーターのみならず、彼の生き方はロケットやネビュラという骨の髄までやさぐれた連中にも変化を与えたのでした。続編での彼らに期待。

マンティスかわいい

原作では戦闘能力も高く、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー結成にも関わる重要キャラだったというマンティス。本作ではとことん非力なマスコットキャラとして登場します。
ドラックスとの掛け合いがめちゃくちゃ面白い!というか彼女絡みだけでなく今回ドラックスがしゃべるたびに爆笑してしまいました。

ただ「イジり」が彼女だけ若干過剰で、非力な人をみんなで小馬鹿にして笑いをとっているような居心地の悪さを感じてしまったのも事実・・・。
ドラックスが彼女を「ブサイク」「醜い」「君の裸を想像しただけで吐きそう」とか散々言いまくるのも一応笑う所ではあるのですが、ちょっと酷すぎない?とここだけ興醒めしてしまったのでした。

それでも彼女はイケてますよ!
味方サイドのキャラが全員集合し、めいめいが姿勢良く立ち並ぶ本作屈指のキメカットで一人だけ落石に頭ぶつけて気絶しているのが輝いています。かわいそう枠で続編続投希望!

その他ちりばめられた小ネタ

・マーベルの黒歴史、ハワード・ザ・ダックがまたも登場するところが底意地悪いです。

・スタローンにはこれからも荒くれ者を束ねる古参の老兵専門の俳優として長生きしてもらいたいですね。ラストのあの連中は初代ガーディアンズだとか。

・iPodとの市場争いに敗れ完全に忘れ去られたZuneをラストでピーターが手に入れ「さ、300曲も入るのか・・・!」と戦慄するシーンが笑えます。宇宙船が飛び交う文明レベルならもっと良い音楽デバイスがあるだろうに、敢えてウォークマンやZuneを使うところが彼の地球と家族への思いを端的に表しています。

・BGMが80年代フィーチャーなので、エンドロールではみんながダサカッコいいディスコダンスを披露するのが微笑ましい。ただ前作は知ってる曲ばっかりだったからアガりまくったけど、今作は1~2曲しか分からなかったのでいまひとつノリ切れなかった・・・。俺に、俺にもっと教養があれば!

・「何でも創造できるならでっかいパックマン作るよ!」とか言ってたピーターが、終盤本当に巨大パックマンを召喚して戦わせるのも芸が細かい。こういうどこまで冗談か分からない感じもピーターならではですね!

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