■■■■■■■■■■ 10点
【あらすじ】
ウィル・バイヤーズの失踪と生還から1年が経ったホーキンスの町。
そこでは一見以前と変わらぬ穏やかな日常が続いていたが、事件の爪痕は確実に関係者たちに暗い影を落としてた。
ある日ホッパー保安官は畑のカボチャが一斉に腐るという怪現象の捜査に向かう。それが再び世界を揺るがす大事件の発端になるとも知らずに…。
オレ、この戦いが終わったら『ストレンジャーシングス シーズン2』を一気見するんだ。
と思ってたのにちょー仕事忙しくて結局観終わるのに1週間かかっちまったい。やだもー。
という訳で全話観てみました『ストシン』待望のシーズン2!
結論を先に書けば超・面白かったです!!
もうね、Netflixの看板背負ってるだけに絶対に負けられないという気概を感じるというか、面白くなるべくして生まれてきたかのような風格です。
言わばドラマ界の横綱相撲ですね!
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目次
出足はもたつくが後半は怒涛
前回のシーズン1は謎の存在に連れ去られたウィル少年を見つけ出すという最終目的が明確で、話が非常に良くまとまっていました。全8話というコンパクトな構成も手伝い、まるで一気見を強要するかのようなテンポの良さだったのが強烈に印象に残っています。
そこへ来ると今回のシーズン2は「ウィル・バイヤーズの失踪」にあたる最初の大事件が無く、「カボチャが腐った」だの「ゲーセンのランキングが変動した」だの「ハロウィンだから仮装して登校したらみんな普段着でめっちゃ浮いた」だのどうでもいいエピソードの連続で幕を開けるのでかなり出足はしょっぱいです。
あれだけ生死不明として引っ張ったイレブンもあっさり姿をさらすという素っ気なさ。
正直大丈夫かコレと心配になりました(;^ω^)
しかしこれは言わば伏線の貯金で、後半に行くほど『ストシン』らしさが盛り上がってきます。そしてラスト2話は前シーズンを上回る怒涛ぶり!凄かった!
ほぼマイクの話だったシーズン1に比べ多数の登場人物にまんべんなくスポットライトが当たるようになった点も変化を感じます。ただそのせいで話がちょっと散漫になってしまっており、ここは好みの分かれる所かも知れません。
個人的には大幅にイイ奴キャラに転向したスティーブの株が爆上げです。
大好き80年代!
今回もシーズン1に引き続いて過剰なまでの80年代リスペクトを堪能できます。
透過光でロゴが表示されるおなじみの「古っぽい」オープニングから始まり、『ゴーストバスターズ』や『ターミネーター』などみんな大好きSF黄金期の傑作が引用されまくりです。
相変わらずバイヤーズ家には通好みな80年代映画のポスターが貼ってあるし、BGMも「スッパーン」というスプラッシュシンバルが印象的な80年代ヒットナンバーが多様されています。もう、どんだけ好きなんだよ!
今年は80年代風ホラー『It』も大きな話題を呼んでおり、この芸風が流行ってるみたいですね!
※ ネタバレ警告※
以下の記事にて作品の結末に触れています!未見の方は注意!
少年たち…まさかのダスティン主役化
前回では唯一無二の主人公感を発揮したマイクですが、今回はちょっと喋るモブ程度の扱いです。全編通して見せ場が一個も無く、ウィルの引き立て役に留まっていました。
イレブンの方もミリー・ボビー・ブラウンの演技力もあいまって画面に登場すれば抜群の存在感ですが、出番自体が結構絞られてます。相変わらず常に鼻血ブーなので貧血とか心配。
特にダスティンのフィーチャーされっぷりは尋常じゃなく、後半はぶっちゃけ主役。最終話ではナンシーに筆下ろしダンスの手解きをして貰うという役得ぶりです。おとぼけキャラとしてほぼお笑い担当だったのに大出世ですね。
彼がデモゴルゴン幼体と僅かなりとも心を通わせたという事実は今後大きな意味を持ってくるかも知れません。
前回は電球光らせただけであとは死にかけていたウィルも今回は大活躍。闇の存在に支配され人類を窮地に陥れる脅威となりつつも、逆に人類側にとっても唯一の反撃の糸口という複雑な役どころを見事にこなしました。
第5話ラストの全身けいれん演技は迫真でした(;^ω^)!
前シーズンみたいに4人で一緒に行動する『スタンドバイミー』感は失われてしまいましたが、彼らも大人になってきたということかも知れませんね。
魅力的過ぎる新キャラたち まさかのサム登場
前シーズンのラストではジョイスとホッパー保安官がちょっとイイ感じになっていたので当然今シーズンもちょっとイイ感じで始まるのかと思いきや、第1話からどこの馬の骨とも知れない冴えないおっさんとチュッチュするジョイス。
誰だよ!って言うかサムかよ!フロドの従者かよ!
誰だよ!って言うかサムかよ!フロドの従者かよ!
見るからにうだつが上がらないオッサンなので相変わらず男見る目無いなージョイス…と侮ってたら実は超イイ奴でした。
ウィルへのアドバイスこそ裏目に出たけど、ジョイスやその家族を本気で気に掛ける様子は見た目にそぐわず男らしさ抜群。見る目が無いのはこっちでしたね。
ウィルへのアドバイスこそ裏目に出たけど、ジョイスやその家族を本気で気に掛ける様子は見た目にそぐわず男らしさ抜群。見る目が無いのはこっちでしたね。
死亡フラグをガンガン立てまくりながらジョイスを助けるシーンは泣ける!
実はイイ奴と言えば研究所の後釜に座ったオーウェン博士もまさかの善人でした。
どうせ黒幕なんじゃろーとか穿って見てましたが普通に色々助けてくれる。最終話でもホッパーとの約束を守ってイレブンの身分を保証するという誠実っぷりです。
今回はいわゆる「悪の組織」は登場せず、あくまで人類vs裏側の世界という構図に拘っているようです。
少年層への新キャラの、転校生美少女マックスも魅力的でした。
複雑な家庭事情のせいで屈折しかけているけど、ルーカスの熱いアタックに徐々に心を開いてく過程が可愛らしかったです。
でもイレブンにスケボー転ばされるシーンはかわいそうでした…って言うかイレブン結構酷いよね。怪我したらどうすんの。
ティーン層の皆様
そうは言ってもしょせんチャラ男だし、大した活躍はしないだろうなと思っていたらどっこいめちゃくちゃイイヤツになって新登場です。
特に、誰からも相手にされないダスティンに親身になって相談に乗るシーンは兄貴と呼ばせて頂きたい包容力。当のダスティンには陰で「緊急事態じゃなければスティーブなんかとつるむかよ」とか言われているのも何だかかわいそうで逆に株上がる。
次シーズンでは釘バットが役に立つといいね!
と言うかスティーブとの恋人関係がうやむやのままジョナサンに走っちゃうナンシーはどうなんですかね!ちょっと不誠実じゃないですかね!
スティーブと気まずくなったのも自分が酔っ払って暴言吐いて超迷惑掛けたせいで、そこんとこちゃんと謝ってないしね!
『X-MEN』シリーズの新機軸ホラー『The New Mutants』でキャノンボール役に抜擢されたようで、今後の活躍が期待されます。
泣かせる親父キャラにクラスチェンジ ホッパー
前シーズンでウィルの救出に執念を燃やしていたのは助けられなかった自分の子供とウィルを重ねていたから、という背景が実に泣かせたホッパー保安官。
シーズン2では強力な超能力を政府に危険視されているイレブンをかくまううちに、今度は父性がイレブンに注がれます。完全に父親キャラになりました。
しかしイレブンは絶賛難しい年頃中で、ホッパー上手くいかない。同じ父親として密かにシンクロ率を上げてしまいました。
イレブンもさんざん反抗しましたが、結局自らのルーツを探ることで気持ちに折り合いがつきホッパーのもとに戻っていきます。この二人の絆がラスボスに対抗する最後の切り札になる伏線回収は本当に涙でしたよ!
どうなる第3シーズン!今後の考察
すでに第4シーズンまでの構想があるという『ストレンジャーシングス/未知の世界』。
気が早いですが第3シーズン以降の展開や残った謎を考察してみたいと思います!
イレブンが超能力者11号なら当然01~10号がいるわけで、今シーズンでは08号ことカーリーが登場しました。
しかしカーリーは、自分が酷い目に遭ったんだから他人も同じ目に遭わせてやると考える系のアウトロー。能力を殺人に利用する犯罪者でした。
今シーズンではイレブンとカーリーは一端決別しましたが、今後もカーリーの再登場は必至でしょう。
と言うかさらに09号や10号が登場する線も十分考えられます。
その時は実は生存していることが示唆された諸悪の根源、ブレナー博士も出てくるでしょう。イレブンの行動に注目ですね!
マックスも今後のキーキャラになってくると予想されます。
なにしろ毒親&暴力義兄との決着がまだ手付かず。
それに満を持して登場したイレブンに露骨に無視されるというあんまりな態度を取られており、イレブンとの女の友情が果たして育まれるのかも注目です。
ルーカスとの恋人関係は正直どうでもいいですが、とにかく未消化エピソード満載なので次シーズンでの活躍が期待されます!
今回影が薄かったマイクも復権がかかっているし、段々ふつうのお母ちゃんになってきたジョイスもどうなるか分からないし、ゲートは閉じちゃったけど全然諦めてない「影の怪物」がどう出るかも興味尽きません。
本当に気が早いけど早く第3シーズンが見たい!!