海外ドラマ

『ブラック・ミラー』感想  進化し過ぎたテクノロジーが暴く人間の暗部

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■■■■■■■■■□  9点
【あらすじ】
現代社会よりも少しだけテクノロジーが発展したある世界。
くだらない番組を延々と見せられながら人々が人間発電機として味も素っ気も無い生活を送る世界。
SNSの「いいね」の数で社会的地位がすべて決定される世界。
今までの人生のすべてを記録できるマイクロチップが普及した世界。
どんな世界でもテクノロジーを扱うのは人間自身。それがもたらす結末は人間の本質を映す黒い鏡なのである。
IT版『世にも奇妙な物語』とも呼ぶべき一話完結タイプのNetflixオリジナルドラマ『ブラック・ミラー』を紹介します。
一話ごとにキャストも設定も総入れ替え。オムニバス形式の海外ドラマって珍しいですよね。他には往年の『トワイライトゾーン』くらいしか正直知らんぜ。

ドラマのアカデミー賞ことエミー賞。先日そのエミー賞の2017年版ノミネート作品群が発表されましたが、本作『ブラック・ミラー』の第3シーズンの一篇である『サン・ジュニペロ』がテレビ映画部門で選出されました(という話がNetflixのホーム画面でやたらにアピールされるのでついさっき知りましたとさ)。
同じくNetflixオリジナル作品である『ザ・クラウン』や『ストレンジャーシングス/未知の世界』なども作品賞部門に選出されており、Netflixの勢いは留まる所を知らない感じですね…。しかしNetflix独り勝ちかと思いきや作品賞本命はHBO製作『ウエスト・ワールド』が最有力だし、Huluオリジナルドラマ『The Handmaid's tale』も各部門でちゃっかり選出されていたり舞台は激戦の様相を呈しています。
競争が激化するほど盛り上がるので、外ドラファンとしては嬉しいこの状況!

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↑これはユル・ブリンナーの1973年版
HBO版では同じ役をエド・ハリスがやっています


人間の本質を映す黒い鏡

話を『ブラック・ミラー』に戻すと、この作品はなにしろ一話ごとに登場人物もストーリーも全く異なるので一概にはその魅力を伝えがたいです。言わば複数の映画の集合編なのです(尺も1話あたり1時間~1時間半くらいで通常のドラマより長め)。
しかし全然別の話でありながら全話統一されたコンセプトで作られているのが特徴。
そのコンセプトとは、発達し過ぎたテクノロジーが人間の本性を暴くというもの。なので抉るような痛いストーリーが多く、ほとんど全話がバッドエンドです(いくつかハッピーエンドもありますが)。
しかしこの後味悪さこそ 『ブラック・ミラー』のアイデンティティー。見ていて痛々しいのは身に積まされるから…つまり 『ブラック・ミラー』は現代の寓話なのです。SNSの「いいね!」の数が気になってしょうがなく、次第にそれが人生の全てになっていく女性を描いた第3シーズン1話『ランク社会』なんかはかなり直接的な表現です。

なかには倫理的な問題から到底普及しそうにない技術もしゃあしゃあと登場しますが、そんな矛盾を孕んだところこそ寓話の本質と言えるでしょう。今の社会はコレと紙一重なんやで?という。
こう書くと説教臭い話に思えてきますが実際はそうでもなく、どの回もそこはかとなくユーモラスです。どちらかと言うとブラックコメディーの様相さえあります。
一話ごとに異なる描かれ方をする近未来観にも映像的な説得力があります。
Netflixオリジナル作品の中でも特におすすめです!

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オムニバス形式の強み

外ドラの敷居が高いのは何と言っても話数が多いところですよねー。観るのにめっちゃ時間取られる…。それが魅力でもあるのですが。
いかな傑作とは言え全100話!とか現在第7シーズンで好評続行中!とか言われると第1話からえっちらおっちら見始めるのがおっくう(´・ω・`)『ゲーム・オブ・スローンズ』もこの理由でドロップアウトしてしまいました…。

しかし『ブラック・ミラー』は一話完結!どこから観てもいいし、どこで観終わってもいい!そもそも話数が少ない!これは結構強みだと思います。評判のいい回だけ観るとかも全然オッケー!
という訳で私的におすすめの回を紹介したいと思います

『サン・ジュニペロ』

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第3シーズン第5話『サン・ジュニペロ』は
エミー賞ノミネートも頷ける奥深い味わい。

80年代アメリカ。ネオン輝くレトロなディスコで、とある女性同士が出会います。二人は瞬く間に恋に落ちますが片方の女性は忽然と姿を消してしまう。残された方の女性は恋人を探し求めますが見付かりません。しかし手がかりを知る男性は言います。
「この時代にはもう彼女はいない。」
時空を越えて惹かれ合うLGBTカップルを描いたロマンチックな一篇です。
と見せかけて後半は全く予想外な展開に。ラストシーンが絵面とは裏腹に「それでええんか」という薄ら寒さを感じさせる所も 『ブラック・ミラー』らしい底意地の悪さです。
手堅い傑作です。



『ホワイト・クリスマス』

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私的イチオシは第2シーズン最終話『ホワイト・クリスマス』です。

雪に閉ざされた小さな小屋に二人の男性が居る。なんと5年間も二人だけで過ごしているらしい。しかもその間ほとんど会話さえ無かったという。この異様な状況で、片方の男性がおもむろに自分のこれまでの人生について語り始めるのだが…。
あまりに謎めいた状況で話が始まり、そして徐々に明かされていく事実。どっちに向かって話が進んでいるのか分からないスリリングさを孕みつつ、細かい伏線がやがて一つの結末に向かって集束していきます。
この不吉さはまさに『ブラック・ミラー』の面目躍如!
「あの時計、あんなところにあったか?」
「…5年前からずっとあそこにあるだろ。」
↑この会話の不自然さが怖い!

とにかくNetflixオリジナル作品の中でも特に存在感を放つ『ブラック・ミラー』。
超おススメです!





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