映画

『トライアングル』感想 なぜか見憶えがあるこの地獄絵図(※ネタバレ)

更新日:

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■□□□  7点
監督:クリストファー・スミス
出演:メリッサ・ジョージ、リアム・ヘムズワース

【 あらすじ】
自閉症の息子と暮らすシングルマザーのジェスは、息子を学校に預け友人たちとヨット「トライアングル号」でセーリングに出かける。
しかし不自然な大嵐に巻き込まれヨットは転覆。たまたま近くを通りかかった巨大客船に友人達と命からがら飛び乗るのだった。
これで助かったと思いきや、なぜかその客船には誰も乗っていない。しかもこの状況をジェスは「憶えている」気がするのだった。

トライアングル(字幕版)

海洋パニックモノ→幽霊船モノとジャンルを変えつつ、最終的には○○モノに変わっていく変化球ホラー。
仕掛け自体はあっさり読めるのですが、さらにそこから先いったいどんな結末に向かうのかは全く予測不能でかなりスリリング。ただのスラッシャー映画とは一線を画す展開が楽しめます!

おもしろかったです!

 

 

 

※ ネタバレ警告※
以下の記事にて作品の結末に触れています!未見の方は注意!

 

 

 

『トライアングル』の顛末

船内に潜んでいた覆面殺人鬼が突如登場!一行は追い回され、一人また一人と無残に殺されていきます。

最終的にジェスのみ生き残りますが、ジェスは機転を利かせた反撃で逆に犯人を船から追い落とすことに成功。
しかし覆面殺人鬼は海に落ちる直前「全員殺さなければ家に帰れない」と謎めいた言葉を残すのでした。

ジェスだけになり静かになった船。その船に遠くから助けを呼ぶ声が聞こえてきます。
なんと転覆したヨットの上で、自分を含めた数人がこちらに向かって助けを呼んでいる!!

 

という訳でこの話はループものなのでした。とは言えここまでは上の予告編でも堂々ネタバラされているいわば導入部。尺の上では半分ちょっと手前くらいです。

本作はここからが面白い!

 

なぜかは分からないけど、ループに組み込まれてしまったジェス。
「ジェス以外の全員が死ぬとまたヨットが漂着して新たなループが始まる」というルールのもと何度も同じ場面に遭遇する羽目に。

・自分の筆跡で書いた「全員殺せ」のメモが大量に見つかる
・ペンダントをうっかり落とすと、落とした先に無数の同じペンダントが溜まっている
・デッキに同じ人間の死体が大量に折り重なっている

などなど、既に無数の周回を重ねてきたことを示唆する数々のアイテムがゾッとさせます。

特に同じ人間の死体が同じ場所に山盛りシーンは本作を象徴する名場面。
おぞましいと同時に清々しいほど不条理で一種の美しさがあります。

で、仲間を生存させつつ頑張ってループを脱出しようとするジェス。しかし「自分」の妨害に遭いうまく行きません。

何としてでも置いてきた息子に会いたい!!
我が子を思う母の執着はジェスを狂気に駆り立て、結局自分の書いたメモ通り「全員殺す」方向で行動することに決心。覆面を被って武装し、転覆したヨットに乗って漂着してきた面々を一人ずつブッコロし始めます。

覆面殺人鬼の正体は(大方の予想通り)一周前のジェスだったのでした。最初のシーンを逆の立場で再現するジェスでしたが、やはりと言うべきか結末も一緒で逆に自分に追い詰められて船から追い落とされてしまいます。

 

船から落ちて気を失ったジェスは奇跡的に五体満足で浜辺に漂着。走って我が家に返るとそこには夢にまで見た我が子の姿が!

しかし悪夢は終わっていませんでした。
息子のそばに現れたのは過去の自分。
過去のジェスは自分の息子を口汚くののしり、思い切り殴りつけています。
ジェスは自閉症の我が子を日常的に虐待していたのでした。

このシーンはヨットに乗り込む日の朝のシーンのリフレインになっています。この光景を窓からこっそり覗くジェスの強烈な後悔と後ろめたさを湛えた表情が印象的です。
ジェスはハンマーを物置から取ってくると、我が子を虐待する過去の自分を躊躇なく撲殺

今までのことは悪い夢だったの、これからは良いママになるからねと息子を抱きしめます。死の恐怖を経てジェスは母性を取り戻したのでした。

息子を連れて車に飛び乗り街を離れようとするジェスでしたが、スピードを出すあまり途中でカモメを轢き殺してしまいます。
思わず車を止めるジェスでしたが、よく見ると同じ場所に大量のカモメの死体が!

 

ループは終わっていなかった!!

 

再び車に飛び乗り更にスピードをあげてぶっ飛ばすジェス。

今度は焦りから運転を誤り、トレーラーと思い切り正面衝突してしまいます。車は完全にスクラップとなり、車外に放り出された息子は即死

ひとりなぜか無傷で生き残ったジェスは朦朧としながらタクシーでヨットハーバーに赴き、友人たちと「トライアングル号」に乗り込みセーリングに出かけるのでした。

 

 

解釈に幅を持たせるラストを、敢えて考察

という訳で子供は死ぬわ主人公は無間地獄だわ、訳も分からず毎回延髄串刺しにされるリアム・へムズワースが哀れだわで全くもって救いが無い!
後味悪い映画ファンは満悦の一作でした。

リアムのご尊顔でハッピーバランスを取るね。

Liam Hemsworth (Superstars!)

(↑マジで雷神兄貴と瓜二つな。)

 

でも解釈が分かれるラストのおかげで尾を引くインパクトのある映画でもあります。
ラストの展開は「見る人の数だけ解釈がある」で正解だと思いますが、敢えて考察してみたいと思います。

 

解釈①

本当のジェスは交通事故で死亡しており、死後の世界で「息子を虐待して死に至らしめた」罰として無間地獄をさまよっている。

トレーラーとの正面衝突ではジェスの車は完全にひしゃげてきりもみ大回転でした。それを運転していたジェスが無傷なのはあり得ません。本来ならば。

おそらく実際はジェスも息子ともどもこの事故で死んでおり、この死を起点にループが始まって神様的な存在から罰を受けているのでしょう。

「神様(あるいは悪魔)的な存在」は、この後彼女をヨットハーバーに連れていくタクシーの運ちゃんが「あなたはきっとまた戻ってきますよ」などと知った風な口を利くあたりそれっぽいですね。

 

解釈②

ループの中とは言えすでに死んでしまった息子に一目でも会うため、分かっててループを繰り返している。

解釈①だと「死神を欺いたかどで無限の罰を受けるアイオロスの神話」の伏線が無意味になってしまいます。

息子に会うためにわざとループを繰り返しているのだと考えれば神話の伏線が生きるだけでなく、正直かなり唐突だった「なんとか仲間全員で生きて戻る」から「全員殺す」への真逆のシフトチェンジも少しは納得できます。
ループすると前の周の記憶を失うあたりとは整合性が取れなくなってしまうけど、まあそのへん突っ込むのは野暮ってものでしょうか。

この解釈ならばループの意味も「罰」から「贖罪」に変わるので多少は救いがある・・・かも?

とにかく変化球ホラーとして思わぬ掘り出しものでした!良い映画です!

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