映画

Netflix版『Death Note/デスノート』感想  頭脳戦かと思いきやまさかの行き当たりばったり合戦

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■■■■■■□□□□  6点

【あらすじ】
デスノート。それは名前を記入した相手を殺すことが出来る超越の力。
偶然ノートを手にした高校生ライトは同級生ミアを巻き込み犯罪者を一方的に虐殺し始める。理想の世界を創造し新たな神「キラ」になるためだ。
そんな彼を止めるべく天才探偵Lが立ちはだかり、互いの正義を懸けた戦いが始まる。

Netflixが半年くらい前から大々的にアピールしていた期待作『デスノート/Death Note』がついに公開されました!
伝説の少年漫画がハリウッドで映像化…!ということで大分話題を集めていましたが…期待と心配が入り混じった声も多かったようです。
ドラゴンボール』の前例があるだけに少年ジャンプのハリウッド映画化に慎重になってしまうのは日本のファン的には致し方無いかも知れません。
監督は『サプライズ』や『ザ・ゲスト』など小粒でも存在感を放つスリラーで着々と実力を示してきたアダム・ウィンガード。そして死神リュークのボイスアクターに名優ウィレム・デフォーが起用されています(おかげで顔までデフォー似に)。
さて、鬼が出るか蛇が出るか…!?
正直かなりヒドい出来を想像しておりましたが、予想以上に面白かったです。
ただし原作とは全く別物であることを先に知っておいた方がスッキリ楽しめるかも知れません。本作はすべての登場人物が行き当たりばったりに行動しどんどん予測不能のカオスに陥っていくのが見どころになっているからです。
熾烈な頭脳戦が魅力だった少年ジャンプ版と言わば真逆。この点を許容できるかで本作を楽しめるか否かが分かれてくると思います。

賢くないライト

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)
そもそも長編コミックと映画では尺が違い過ぎます。
映画という枠組みの中では、2時間という極めて限られた尺でいかに物語を完結させるかがポイントになってきます。だから映画版(ましてやハリウッド版)がコミック全12巻と違う物語になるのは当然で、そういう意味ではどれだけ忠実に原作に似せるかよりもどれだけ上手く原作を変えられるかに成功が懸かっています。
…と頭の中では理解していましたが。
それにしたって本作のライト君は軽率過ぎる
何しろデスノートをゲットしたその翌日にいきなりノートのことを他人にバラしてます。しかもその他人と言うのが密かに憧れていたチアリーダーのミア。要は女の子の気を引くためにデスノートをダシにしたという訳です。しかもノートの力を彼女に証明するためにそこらへんの犯罪者をテキトーに殺してみせるという驚異的な行き当たりっばったり加減。
狂気のレベルとも言える細心さで自分の正体を隠し続けた夜神月が見たら卒倒間違いなしの軽率さです。
DEATH NOTE (6) (ジャンプ・コミックス)
そもそも本作のライト君はあまり賢く設定されておりません。むしろ、宿題を代行して同級生から小銭を頂戴するというもっとマシな頭の使い方あるだろ!と言いたくなるようなケチな悪事を働く男です。あげくあっさり教師にバレてペナルティを課せられる。何してんだ君。

死神リュークを最初に見たときの哀れになるほどの取り乱し方も小物感を助長します。本作のリュークは結構ショッキングないでたちな上ウィレム・デフォーみたいな声なのでビビるのは無理からぬ事なのですが、それにしても身も世も無い驚きぶり。「うわあ!」じゃなくて「キ、キャアアア―――!」だし。頭脳派主人公としてちょっとどうか。
 

※ ネタバレ警告※ 
以下の記事にて作品の結末に触れています!未見の方は注意!

Netflix版『Death Note/デスノート』の顛末

ミアと共に犯罪者を何百人も血祭にあげ新世界の神「キラ」を気取るライト。
しかし考え無し過ぎる犠牲者の選別方法からあっさり捜査が進み、Lはライトこそがキラであると確信するようになる。

一方、ライトとミアは対立し始める。あくまで悪人だけを殺して新しい世界を作りたいと無邪気に願うライトに対し、ミアはデスノートの力に酔い抹殺対象が無差別になってきていた。ミアは更なる力を欲してライトの名前をデスノートに書き込み、ノートの所有権を移譲しなければライトが死ぬように仕組み強迫する。

さらに一方で、唯一の家族である執事ワタリがノートの犠牲になり(実際死ぬように仕向けたのはミア)、逆上したLは本来の職分を離れ拳銃を持ちだし私刑に処するべくライトを追いかけ回す。

ミアとLの両方に追い詰められたライトだが、結局自滅する形でミアが死亡。ライトも重傷を負い昏睡状態に陥る。しかし昏睡が続く間もデスノートによるキラ事件が続いたためライトは容疑者から外され、Lは誤捜査の責任を負い解任されるのだった。

実はミアの死亡もライトの重症もキラ事件がその後も続いたのも、すべてデスノートの特性を利用したライトの策略だった。昏睡から目覚めたライトは、病室で計算通りノートを手元に取り戻す。

消沈のLはアメリカを離れる飛行機に乗り込むが、機内での推理からデスノートの存在に気付き再び街に戻る。ミアの私室からデスノートの紙片を発見したLは、そこに名前を書けば対象を殺せるというルールを瞬時に理解。あの名前を書くべくペンを取る。

病床に横たわるライトのもとに死神リュークが現れ「人間っておもしろ!」と言うシーンで映画は終わる。

ライトもライトならLもL

L change the WorLd(デスノート特別小説版) (集英社文庫)
フードを目深に被った黒人少年という大胆なビジュアルが印象的な本作のL。

立ち居振る舞いや演技はむしろ素晴らしいのですが、どうにもLの無能ぶりが感情移入を妨げます。
「7ヶ月間地下室に監禁されても平気な精神力」という触れ込みでしたが、身内が危険にさらされるなり劇中の誰よりも動揺して奇声をあげながら人の家に突撃するのはどうか。銃を振り回し街を半壊させながら盗んだパトカーを暴走させるのはどうか。しかも結果出せてないし。

そういうLの豹変ぶりがリュークの言うところの「人間っておもしろ!」でありラストのオチへの伏線にもなっているのですが、正直ビジュアル的にはライトとLという今一つな知能の持ち主同士が周囲に多大な迷惑をかけながらエンヤコラしているようにしか見えません…。
あとライトの父親が本名丸出しで記者会見するシーンは何だったんでしょう。
確かに結果的にはそれがライト=キラの推理の決定的決め手になっていましたが…それはあくまで結果的にであり、もし違ってたら普通にブッコロされてただけですよねアレ。そういう危なすぎる賭けを予防線無しにサラっとやっちゃう所も何だかなあって感じです。

抜かりない残酷描写

ファイナル・デスティネーション(2000) (字幕版)
クサしまくってしまいましたが良い点も多々ありましたよ!特筆すべきは残酷描写です。

デスノートの最初の犠牲になるアホ不良少年の死に方は「頭部切断」。頸部じゃなくて頭部。つまり顔の真ん中で水平方向に真っ二つです。しかも映画秘宝で言うところの「切株描写」までやってのけてしまいます。やるじゃんNetflix!

『ファイナルデスティネーション』を彷彿とさせる死のピタゴラスイッチも愉快でした。
ミアに仕組まれ投身自殺させられるFBI捜査官も良かったです。
何のためらいもなく屋上から空中に向かって歩き出し、そのまま遥か下の地面に激突。
落下死シーンが出てくる映画は枚挙に暇がありませんが、「潰れトマト状態」を画面に出す映画はなかなか珍しいと思います。本作のような一般受け狙いの作品では特に。Netflixの挑戦に拍手

アダム・ウィンガード節!

ザ・ゲスト(字幕版)
アダム監督の作品は正直申し上げると前述の『サプライズ』と『ザ・ゲスト』の2作しか観てません(´ω`)
しかし両方ともラスト1カットのインパクトが強く、観た後の余韻は結構強烈なものがありました。本作でもその作風は健在で、原作にリスペクトを払うリュークの名セリフで締める所がベリーグッド!ライトが実際に死ぬシーンを映さない所が小粋です。
憎しみを募りに募らせて探偵としての矜持も失ったLが、一体どんな残虐な死に方をライトに課したのか…。観客の想像力が試されます。人間っておもしろ!



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