【あらすじ】
まだ「プロファイリング」という概念が確立していなかった1977年のアメリカ。
若きFBI捜査官のホールデンは、時代とともに多様化する犯罪に対抗するべく犯罪心理学を志す。しかし先鋭的な思想に周囲の反応は冷たく、上司には「心理学など裏方のお遊び」と一蹴される。
諦めないホールデンは、同じ志を持つビル捜査官とともに人間の心の闇に挑んでいくが…。
やったー!ついに配信されたよコレめっちゃ楽しみにしてたんですよね『マインドハンター』!
さっそく観てみたら開始2分でおティンティンが画面に登場し、さらにその2分後には人間の頭がショットガンで粉々にされるといういくら何でもブッ飛ばし過ぎの始まり方でした。
最高だ!
最高だ!
しかもその後に流れるオープニングが猟奇殺人映画の金字塔『セブン』みたいで超クール!!
確信しました。これ絶対面白い。
しかもただ面白いだけじゃなく、伝説級のテレビシリーズになる!いま確信した!
デヴィッド・フィンチャー、期待の最新作
もうとにかく楽しみだったんですよ!『マインドハンター』!
なんでそんなに楽しみなのかって【デヴィッド・フィンチャー監督×連続殺人】は最強の組み合わせだからです!
フィンチャー監督はやると決めたらどんな映画でも撮ってしまう生粋の職業映画人。
ラブストーリーなら『ベンジャミンバトン』
政治サスペンスなら『ハウスオブカード』
青春ドラマなら『ソーシャルネットワーク』
こうしてフィルモグラフィを見ると、その超絶芸達者ぶりを改めて思い知らされます。
しかし!
そんな何でも撮れるデヴィッド・フィンチャーの一番得意なジャンルはじゃあ何か、と問われたらこれはもう満場一致で連続殺人モノでしょう!
出世作『セブン』はもちろん素晴らしい。
『ドラゴンタトゥーの女』もオリジナルを超える快作ぶり。
地味ながら『ゾディアック』も良作。
連続殺人は起きないけど『ゴーン・ガール』もどんでん返し系サスペンススプラッタブラックコメディとして唯一無二の存在感があります。
どれも凄惨なだけでなく独特の風格があって素晴らしい犯罪映画です!
どれも凄惨なだけでなく独特の風格があって素晴らしい犯罪映画です!
デヴィッド・フィンチャーにとって連続殺人映画は家系ラーメンにとってのもやしに相当すると言っても過言ではないでしょう。
そんなフィンチャーがNetflixで新たな刑事ドラマを作ると聞いた日にゃあ!期待せずにいられりょか!
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「狂気を知らずに狂気に勝てるのか?」
第3話でようやく話の縦糸ができたところなので、ストーリーの感想は後にとっておこうかと思います。
しかし第3話までで確実に言えるのはとにかく雰囲気が良いということ。 緊迫感溢れるストリングスをBGMに終始不穏な静けさがみなぎります。この静謐な雰囲気は『セブン』より『ゾディアック』に近いかな!?
「狂気を知らずに狂気に勝てるのか?」の名セリフには痺れました!
もっとこう『ハンニバル』みたいな世界のびっくりサイコパス大集合みたいな感じを予想していたのでこれはちょっと意外でした。
マンガ的な怖い殺人鬼は登場しません。直接的な暴力描写も(冒頭意外は)控えめです。むしろ殺人鬼のキャラクターをすこぶる緻密に描くことで「こんなに歪んでる我々人間って何だろうね」というテーマに踏み込む哲学的な話みたいです。
マンガ的な怖い殺人鬼は登場しません。直接的な暴力描写も(冒頭意外は)控えめです。むしろ殺人鬼のキャラクターをすこぶる緻密に描くことで「こんなに歪んでる我々人間って何だろうね」というテーマに踏み込む哲学的な話みたいです。
こういう実存主義的な要素は『ファイトクラブ』の頃からデヴィッド・フィンチャーが繰り返し描いてきたテーマなので、むしろ納得かも。
雰囲気と言えば全編にみなぎる70年代感は本当に凄い!
飛行機の中でタバコ吸ってても誰も文句言わないし、街並みや自動車のデザインも凝りまくり。
FBI捜査官が黒人を堂々「ニグロ」とのたまうシーンまであります。今じゃ絶対言えねぇ。
BGMとして使われる軽快な70年代ロックも素敵!特に第2話の「各地を講演して回るホールデンとビル」の演出はミュージックビデオみたいで愉快でした!
こういう徹底したディテールの細かさが作品全体に気品と説得力を与えていますね。芸術は細部に宿る。このセットを実現したNetflixの資金力が伺い知れます。
『MARVEL ディフェンダーズ』で「右手を切り落とした」という設定ながら全然腕が短くなっておらず明らかに右手に包帯巻いてるだけだったスティック爺さんにはこれ観てもう一回切り落として欲しいですね。
という訳でいまから第4話観てきます!
余談ですが本作でも度々話に出てくる伝説的サイコパスのチャールズ・マンソンって、そのうちFateシリーズに英霊として登場しそうじゃん?