■■■■■■■■■■ 10点
【あらすじ】
導きを求め「最後のジェダイ」ルーク・スカイウォーカーとの邂逅を果たすレイ。
一方ファーストオーダーに追い詰められた反乱軍は絶体絶命の窮地に陥る。
そして己の中の葛藤に苦しむカイロ=レン。
それぞれの運命が動き始める。
目次
三部作は真ん中の一作が一番面白い!
素晴らしい映画でした!もう文句なしの満点です!
スターウォーズの旧三部作しかり、『ホビット』しかり、三部作は真ん中の一作が一番面白いとはよく言われる話です。キャラクターや舞台設定の説明は1作目に任せ、物語としての整合性は3作目に任せられるので、2作目は自由自在にドラマを展開することが出来るから…だと個人的には思っています。
そして本作『最後のジェダイ』はまさにそんな強みを最大限引き出した珠玉の「2部作目」に仕上がっています!
興奮冷めやらぬ内にこんなこと言うのは尚早ですが、これまでのスターウォーズ映画の中で最も好きな作品になりました。ちなみに今までのベストは『エピソードⅢ』。
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賛否両論で大炎上
しかし…これ書いてる時点で大手評論サイトrotten tomatoesの観客評価がたったの52%。逆に批評家支持率は92%と高水準なので言わば見事なまでの賛否両論ぶりです。
おそらく「今まで誰も見たことのないスターウォーズを作ってやる!!」という姿勢がアグレッシブ過ぎて、ついて行けた人とそうでない人で評価が真っ二つになってしまったのだと思います。面白かったと思う私でさえ「あ、これは炎上するわ…」と観てる途中で思いました。
これはスターウォーズのベスト盤とも言えた前作『フォースの覚醒』へのカウンターになっています。
いつも通り砂漠から話が始り、いつも通りデススターを戦闘機で破壊し、最後はいつも通り赤と青のライトセーバーで締めて「つづく!」で結んだ『フォースの覚醒』は、ぶっちゃけみんなが観たいスターウォーズの最大公約数でした。それをあらゆる面で最高クオリティで達成した所に『フォースの覚醒』の偉大さがあると思うのですが、続く本作『最後のジェダイ』はさらにそこから独自の物語を紡いで見せています。
いつも通り砂漠から話が始り、いつも通りデススターを戦闘機で破壊し、最後はいつも通り赤と青のライトセーバーで締めて「つづく!」で結んだ『フォースの覚醒』は、ぶっちゃけみんなが観たいスターウォーズの最大公約数でした。それをあらゆる面で最高クオリティで達成した所に『フォースの覚醒』の偉大さがあると思うのですが、続く本作『最後のジェダイ』はさらにそこから独自の物語を紡いで見せています。
観客が見たいものを見せるのが娯楽、というおためごかしから勇気ある一歩を踏み込んだ本作。私は大好きです。
かなり好みが分かれる作風ではあると思いますが、いずれにせよスターウォーズ史上最大の問題作であるのは間違いありません。ぜひとも予備知識無いまま劇場の大画面でこの衝撃を味わうべきと主張します!
※ ネタバレ警告※
以下の記事にて作品の結末に触れています!
本作は本当に予備知識無しの方が楽しめるので、ぜひとも本編観てから読んで下さい!
ツッコミどころは多々あるが…
絶賛ばかりでもなんなので、先に看過できないツッコミどころをあげつらいたいと思います。
まずレイア姫が頑丈過ぎ。
戦闘機の攻撃を受け→爆風に巻き込まれ→船外の宇宙空間に放り出さる
という3回ぐらい死ねるダメージを一度に受けながらケロッと生還するのはいくら血筋補正があってもやり過ぎじゃなかろうか。
宇宙空間をスーッと飛んで戻って来るシーンはほとんどギャグになってしまっています。あれがまかり通るなら『ガーディアンズオブギャラクシー:リミックス』のヨンドゥは今頃ピンピンだよ!
宇宙空間をスーッと飛んで戻って来るシーンはほとんどギャグになってしまっています。あれがまかり通るなら『ガーディアンズオブギャラクシー:リミックス』のヨンドゥは今頃ピンピンだよ!
フィンとローズが富裕層のカジノでアレコレするくだりも物語上まったく意味が無く疑問符が浮かびます。フィンは主人公の一人のはずなのによくよく考えると何も仕事しておらず、居なくても物語が成立してしまうのは徒労感ばっかりつのって居心地悪い…(´;ω;`)
あと「クルーザーがハイパースペースで敵戦艦に体当たり→あっさり撃破」のシーンも過去作をぶっ壊し兼ねない問題描写です。ハイパードライブがそんなに強力な兵器に転用できるなら、もう他の武器要らないじゃん?
あれほど問題にしていた敵戦艦のバリアシールドも特に何の説明もなく貫通しており、バリアを解除しに七転八倒したフィンのエピソードが完全に無意味化しています。さすがに一本の映画としてこのガタガタさはどうか!?
主人公たちのドラマ
とまあ他にも言いたいことは色々あるのですがこれ以上は野暮ですね。
そんなことより主人公たちの魅力です!
ダメロン野郎から真のリーダーへ
レイア代理の指揮官が選出されたとき「俺じゃないのかよ…」感を露骨に表わした彼ですが、別段野心家と言う訳ではなく血気盛ん過ぎるだけという猪突猛進ぶりがかわいい。
最後は勇気ある敵前逃亡でレジスタンスを全滅から救う所が「命と引き換えに勝利しても意味ない」という結論に至ったフィンと噛み合っており収まりが良いですね。
最後は勇気ある敵前逃亡でレジスタンスを全滅から救う所が「命と引き換えに勝利しても意味ない」という結論に至ったフィンと噛み合っており収まりが良いですね。
恐らく『エピソードⅨ』ではレジスタンスのリーダーとして活躍するであろうポー。がんばれ!ダメ!ロン!
ファズマとの決着 自我を確立したフィン
前作『フォースの覚醒』ではうやむやのうちに退場していたファズマ(ゴミ捨て場で粉砕されたんじゃなかったの?)ですが、今回はフィンの出自を一手に象徴する重要キャラに。敗北することでフィンを巣立たせるという、ある意味母親の役割を果たしました。
もっともそこに母性などなく、ファズマはフィンを心底軽蔑していましたが。ファズマを敢えての女性に設定したのはその点にダブルミーニングを持たせたかったからかも知れませんね。
あとフィンが拾ってくるDJも出番少ないながらインパクト抜群でした。全く予備知識無しで観に行ったので、ベニチオ・デル・トロという突然の大物俳優の出現にめっちゃビビりました。
裏切ったと見せかけて最後には助けに来てくれるんだろ?ランドみたいに!と思ったら本当に裏切ってフィンを見殺しに。今までのスターウォーズには居なかった徹頭徹尾の日和見主義者ですね。
ファーストオーダーだろうが反乱軍だろうが戦争なんかしてる奴らは皆同じ、というニヒルな態度は『エピソードⅨ』で重要な立脚点になるかも知れません。
惹かれ合う孤独な魂 レイとカイロ=レン
本作の主軸になってくるレイとカイロ=レンの関係。超スリリングでした。
あれほど憎んでいたカイロ=レンに自身との共通点を見出し、逆に希望を託すようになるレイ。その気持ちに応えスノークに反旗を翻すカイロ=レン。
しかしカイロ=レンの内側に潜むのはジェダイもシスも帝国も反乱軍もすべて消し去り、自分が唯一の秩序になるという究極のエゴでした。ルークが彼に見た深過ぎる闇とはコレのことだったんでしょうね。
「俺と来いレイ!一緒に銀河に秩序をもたらそう!」と誘うカイロ=レンにレイがどう応えるか迷うシーン。あそこは本作屈指の緊張感でした!
余談ですがそのカイロ=レンとレイに襲い掛かる真紅のインペリアルガードたち…あいつらは「カイロ=レンと共にルークのもとから姿を消した元パダワン」で良いんですかね?
男の去り際 ルーク
女々しさ溢れる本作のルークですが「伝説とか言って勝手に持ち上げられても知らんし!」とある意味開き直って世捨て人を演じているのは逆に人間味があって魅力的です。
レイにすべてを託して去っていくシーンは更に大号泣でした。
伝説のジェダイとして銀河中の希望を集めるも結局その重圧に耐えられなかった彼ですが、最後は己の務めにけじめをつけ消滅。その時に見る光景が故郷であるタトゥイーンの二つの太陽と言う所が最高に泣かせる。伝説である前に一人の人間だったことが強く印象付けられました。
「すばらしい。お前の言っていることはすべて間違っている。」はカッコ良すぎるので明日から職場で使ってみようと思います!(バッドエンドフラグ)
どうなるエピソードⅨ
散々追撃を受けとうとうミレニアム・ファルコン号だけになってしまった反乱軍。しかしレイア姫は「(反撃の)準備は出来ている」と力強く頷きます。
そんな訳無いじゃん!銀河中に助けを求めたけど盛大に既読スルーされてたじゃん!
とツッコミたい所ですが、最後に登場する農夫の少年はあたかも当然のようにホウキを手元に吸い寄せていました。フォースの使い手のようです。
この名も無き少年が『エピソードⅨ』では重要な登場人物になるのか、はたまたレイアのセリフが銀河に希望(=フォース)の種が撒かれたと言う意味であることの裏付けなのかは分かりません。
が、泣いても笑っても次が最後。J・J・エイブラムスがどんな決着を見せてくれるのか今から期待です!!
が、泣いても笑っても次が最後。J・J・エイブラムスがどんな決着を見せてくれるのか今から期待です!!
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