映画

『ウィッチ/VVITCH』感想 畏れよ自然!全編を超怖いBGMが貫く異色ホラー

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■■■■■■■■□□ 8点

【あらすじ】
1630年、ニューイングランド。街を追い出された一家は森の近くの荒れ地に移り住む。しかし末っ子の赤ちゃんが何者かに連れ去られ、やがて次々に不吉な事態が一家を襲う。これは森に住む魔女の仕業なのか?



若手映画監督の登竜門ことサンダンス映画祭で激賞され、IMDbでも超高評価を集めていた話題作がAmazonプライムビデオで配信開始されました。
本作、観よう観ようと思ってたのですが名古屋ではミニシアターで一瞬公開されただけで終わってしまい、以降観る手段が無くて途方に暮れてたんですよね…。そこに来て今回の配信!嬉しい!ありがとう!ありがとうAmazon!


とにかく大変面白かったです!
観終わった後に「お、俺は一体何を見たんだ…?」と当惑してしまうこの感覚…最高ですね!
あと実の姉の胸チラにドキドキしてしまう弟くんという個人的にツボな描写があったのも高評価です(作品の趣旨を理解していない文章)。

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音が怖い!

本作は純然たるホラー映画ですが、ショッキングな姿の化け物や過激な暴力描写がウリのタイプのものではありません。いわゆる文学系という奴で、心理描写や不吉さが演出の主役です。
しかしだからと言って怖くない、或いは退屈だ…ということは全くありません。むしろ逆に超怖い。その怖さを支える最大の要素が音楽です。本作は全編に渡ってBGMが異様におどろおどろしく、一家が味わうことになる地獄の印象を200%増しで鮮烈させしめています。

特に序盤に出てくる「人間の赤ちゃんをすり潰して体に塗りたくる老婆」のシーンは超強烈。めっちゃ不気味なコーラスとおぞましくも幻想的な映像が噛み合い、異様で悪夢的なイメージを形成しています。
一見ならぬ一聴の価値があります


世にホラー映画はあまたあれど、本作を敢えて配信作品にチョイスするAmazonプライムビデオに本気の映画愛を感じます。もはやオマケではない…!
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※ ネタバレ警告※ 
以下の記事にて作品の結末に触れています!未見の方は注意!

魔女、それは解放

呪術攻撃、あるいは物理攻撃で一家は一人ずつ命を落としていきます(神を冒涜しながら狂死する弟くんが強烈)。そしてとうとう娘のトマシンだけが生き残り、辺境の森に一人取り残されてしまうのでした。
すると何故か家畜の黒羊が喋りだし、トマシンと呪いの契約を結ぶ。森の中へ導かれたトマシンは、火を囲んで全裸で踊る魔女たちの中に笑いながら加わっていくのでした。


…という、明快な説明をあえて排した不条理なラストシーンで映画は終わります。
要はこれはトマシンを新人魔女として勧誘した悪魔の話だった訳です。

ウィッチ(字幕版)

そこに込められているのは自然=良いモノと決めつける浅はかさと、信仰という呪縛で抑圧された人間性(=トマシン)の解放です。特に後者に関しては「女性」の解放と言い換えられるかも知れません。
本編中でも「若い女性の肉体は男をたぶらかす悪いモノだ」という男尊女卑に他ならない概念が信仰の皮を被って登場します。いいじゃんよ!実の姉の胸チラ!(違う)
当の男性である父親が「神様を信じれば何とかなる!」と繰り返すばかりで、現実の問題には何も建設的な手が打てない無能なのにも含みがあります。


1600年代当時の過酷な生活環境に抗うべく人は信仰に縋ったけど、やがてその信仰が人間性を抑圧し女性を抑圧した…。本作ではその歴史が描かれているのではないでしょうか。「魔女」は居ても「魔男」は居ないのがその象徴たる事実です。
だからこそのあのラストシーン。魔女になることで信仰から解放されたトマシンは、高らかに笑いながら宙へ浮かんでいくのです。

しかし本作、動物が唐突に喋り出すシーンと言い画面が常に暗いところと言い、ラス・フォーン・トリア―監督の『アンチクライスト』によく似ていますね↓

アンチクライスト(字幕版)
スプリット (字幕版)
↑本作でトマシンを演じたアニヤ・テイラー=ジョイが、今度はマカヴォイに誘拐されてえらい目に遭うホラー。

ほんと凄い存在感ですよねアニヤ・テイラー=ジョイ。凄すぎて「殺人鬼に追い掛け回される姿がサマになる」という旧来のホラー映画ヒロインとはかけ離れているけど、今後の活躍が期待される御方です。胸チラ…(しつこい)







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