映画

『レディ・プレイヤー1』感想 乗れなかった… 現実とVRの距離とは

■■■■■■□□□□  6点

【あらすじ】
2045年。人々は暗い問題が山積する現実から逃げ、バーチャル空間「オアシス」に夢中になっていた。
17歳のウェイドもその一人。彼は「オアシス」の開発者であるハリデーが残した莫大な遺産をめぐるゲームに没頭していく。
観たぞ『レディ・プレイヤー・ワン』!せっかくだから俺はこの映画のレビューをするぜ。
本作はデロリアンが!金田のバイクが!アイアンジャイアントが!そしてガンダムが!ありとあらゆるポップカルチャーのキャラ達が大乱闘を繰り広げるという存在自体が奇跡みたいなお祭りムービーです。
半年前に予告編が公開された時にはもう体中の穴と言う穴から体液を流して興奮しまくりましたね。予告編でこんなに幸せなら本編観たらどうなっちまうんだよーッホォォー!
そんな期待を胸にさっそくIMAX 3Dで鑑賞!みなぎる~!!
………
……
うん、まあ面白かったよ。でもどちらかと言うとノリ切れなかった気持ちの方が強いかな(´・ω・`)
何というか、本作に関しては一番面白かったのは予告編だったかも。

広告




オリヴィア・クック最高!

突然ですが、良いですよねタンクトップ女子
強調される身体のライン。しなやかに覗く二の腕。活発に動ける軽装さ。エロくないのにどこかエロい、それがタンクトップ女子の魅力です。
今まで見てきた映画にも数多のステキなタンクトップ女子が登場してきましたが、中でも
・『パニックルーム』のジョディ・フォスター
・『パシフィック・リム』の菊地凛子
・『007 慰めの報酬』のオルガ・キュリレンコ
の三名は特に素晴らしく、私は彼女たちをして三大タンクトップ女子と呼んでいます。

007 / 慰めの報酬 (字幕版)
↑メインビジュアルがタンクトップじゃないのやだー
しかしこの度、彼女らに匹敵する気鋭のタンクトップ女子が現れました。それが本作『レディ・プレイヤー・ワン』のヒロインを演じたオリヴィア・クックです。これでついにタンクトップ四天王が揃いました。
本編終盤、IOI社の制服を脱ぎ捨てて薄着のタンクトップ姿になる彼女はもう蛹から羽化する蝶を思わせる美しさでしたね。更にその後、揺れる車内で必死に姿勢を保とうと天井の手摺にしがみつくシーンで盛大に披露する脇の下!綺麗過ぎ!もう一回見せて!
「ハグしていい?」と笑顔で詰め寄る彼女にショウは「や、やめろよ!ニンジャはハグしないんだ!」と照れて拒否ってましたが、私がショウだったらもううずめますね、顔を
 

※ ネタバレ警告※ 
以下の記事にて作品の結末に触れています!未見の方は注意!

リアルが大事って言われても…

という訳でドン引き必死のキモいトークから始めてしまいましたが、正直最も心に響いたのがオリヴィア・クックの脇の下だったので仕方無い。
本作の何が気に入らなかったのかと言えば、何と言ってもVRとリアルの価値観の位置づけがしっくり来なかった点です。

READY PLAYER ONE: SONG
映画前半では、山積する社会問題から目を背けてバーチャル体験に夢中になる人々が登場し舞台設定を克明に説明してくれます。
住環境は不潔で安全性も低く、郊外にはゴミが山積み。それなのに誰も対応しようとせず、ひたすらみんな「オアシス」に没頭している。

自キャラが死んで発狂するおっさんや、家が火事になりかけて子供が怯えているのにそっちのけでオアシスをプレイし続ける母親などがコメディタッチで描かれますが、冷静に考えるとどいつもこいつも人間としてかなり末期的です。
人類全体が「オアシス」の普及のせいで緩やかに衰退している訳です。
また、現実のスマホゲームがそうであるようにゲームに夢中になるのは低所得者層という描写にもスピルバーグの冷徹な社会分析が光ります。ゲームに重課金して現実の生活が破綻するバカをしっかり画面に出した事は、他ならぬそのゲームへの愛が主題の本作にあってかなり重要な意味を持つでしょう。
なので恐らく本作のラストでは「大事なのはリアルだ!」という主張に帰結しオアシスは消滅するものとばかり予想していました。「ポップカルチャーに浸るのはとても楽しいものだけど、すべて現実の人生があってこその体験なんだ!」みたいな。
しかし実際には「大事なのはリアルだ!」とは確かに言ってましたが、かなり取って付けたようなエンディングで当惑。
ウェイドは一握りの勝ち組に成り上がった上で、超でっかいテレビを備えた豪邸に住んでタンクトップのオリヴィア・クックとチュッチュしながら「あぁ~リアルが充実しててマジ辛えわ~~www現実最高ォ~~~www」「オアシスもいいけどお前らもちゃんと現実見ろよwwww」とのたまう訳です。
現実うんぬんとか、お前に言われても何の説得力も無いよ!お前の生活そのものがバーチャルで、そんなの一般的な現実とは言えないじゃん!
現実=リアルって言うのは、それこそオアシスのように刺激に満ちた場所ではないし日々退屈だったり辛かったりしがち。だけどそんな現実を乗り越えてこそ魂の底から実感できる喜びや幸せがある…そう言うものではないでしょうか。

現実とは何かについて一切言及することなく、大事なのはリアル!ハイ解散!で映画が終わってしまったので結局何が言いたいのかよく分かりませんでした。
「これそう言う映画じゃないから!おとなしくメカゴジラとガンダムが戦うのを有難がっておけばいいんだよ!」と言われればそれまでですが、何かこうスピルバーグ監督作なのに深みが無いというか肩透かしだったんですよね。



-映画

© 2021 おふとんでシネマ