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Netflixオリジナル映画『カーゴ』感想 ゾンビに噛まれた!自分がゾンビ化すれば真っ先に食い殺されるのは赤ん坊の娘…どうする!?

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■■■■■■■■□□ 8点

【あらすじ】
ゾンビアポカリプス後。
歩く死人だらけになったオーストラリアでは政府や軍隊は既に壊滅し、残った人類は安住の地を求めてあてどない旅を続けていた。
ゾンビに噛まれ48時間後には自分もゾンビなることが確定してしまった男は、幼い娘を守るために人生最後の旅に出る。


ゾンビ化する運命を背負った男が、赤ん坊の我が子を救うために取った選択を描いた短編『cargo』。同動画は2013年の公開時に大きな反響を呼びました。私も当時CIA Movie Newsさんの紹介で拝見しましたね懐かしい。数分しかないのに心に響く作品でした(´;ω;`)
本作はそんな『cargo』を長編映画化した一作。ホラー映画の『ライト/オフ』しかり、最近Youtube公開の短編から映画の企画が生まれることが多いみたいですね。


数分の動画を2時間の映画にするのだから様々な要素が付加され内容は大いに改変されています。と言うか「ゾンビ化しつつある男とアボリジニの少女の異色バディもの」という原作には全然なかった話が主軸になっており、むしろほぼ完全新作と言える作りです。
しかし娘を守るために父親が取った「あの行動」に見られる、滅びゆく世界での人間性と愛というテーマは熱く受け継がれていました。ラストは号泣必至です(あなたが父親なら特に)。

監督はオリジナルの短編から続投のヨランダ・ラムケとベン・ハウリングのコンビ。
主演は『ブラック・パンサー』での大活躍も記憶に新しいマーティン・フリーマンです。
ゾンビ映画なのに静かで気品のある感動作でした。

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ザ・困り顔俳優 マーティン・フリーマン

マーティン・フリーマンと言えば『シャーロック』。『シャーロック』と言えば困り顔のワトソンです。
そう、マーティンは困り顔俳優として100年に一人の逸材なのです!
前述の『シャーロック』ではフリーダム過ぎるホームズに振り回されて困り、『ホビット』シリーズではフリーダム過ぎるドワーフたちに振り回されて困っていました。
テレビシリーズ版『ファーゴ』(←超傑作!)ではフリーダムかつ凶暴過ぎる殺し屋のマルヴォに振り回されて困ってましたが、まあ同作では本人もクソ野郎なので自業自得です。
近年のヒット作『ブラック・パンサー』ではあんまり困っていた印象はありませんが、マーティンらしからぬ大活躍シーンがあるので「おおっ、いつも困ってばっかりだったアイツが敵を倒しまくってる!」みたいな感じで逆にインパクト大。

SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁(字幕版)
と言う訳でマーティン・フリーマンは困った顔をさせたら右に出る者はいない名優なのでした。
そんな彼が今作では

ゾンビアポカリプスで文明が崩壊
 →妻がゾンビ化
 →妻に噛まれて自分もあと数時間でゾンビ化
 →自分がゾンビになったら真っ先に食い殺されるのは幼い娘
 →\(^o^)/オワタ

という史上最大の困った状況に置かれるのでさあ大変。本領発揮です!!





ロメロの魂を受け継ぐ正調ゾンビ映画

しかし本作でのマーティン・フリーマンことアンディが示したのは困り顔だけでなく、父親として人間として最期まであるべき姿であろうとする強い姿でした。肉体が徐々にゾンビ化していくという極限状態のなか、娘のためにひたすら歩き続ける姿にただ胸打たれます。
泣きも喚きもするけれど決して折れることはない父親像を体現したマーティン・フリーマンの演技には脱帽(´;ω;`)


そんな彼にとって最後の希望となるのが原始的な生活を送るアボリジニたちという点には、ゾンビ映画の父ことジョージ・A・ロメロが繰り返し描いてきた物質文明への警鐘というテーマの継承が伺えます。
また本作を貫く「生きている限り希望を求めて足掻く」という確固たる意志にもロメロ節を見ることが出来ます。『ゾンビ』(1978年)のラストで僅かな燃料のヘリコプターに乗ってショッピングモールを脱出したピーター達と、トゥミに希望を託してあのアイデアを実行に移すアンディには「生」への執念という共通項があります。ヴィクのように善性を犠牲にして生きながらえるのではなく、あくまで人間として状況と戦うという意味での「生」です。

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本作は一風変わったシチュエーションを題材にした作品でありながら、ジョージ・A・ロメロの魂をしっかり受け継いだ正統派ゾンビ映画でもある…そんな印象でした。
「悪霊を退けるおまじないの粉」でアンディが残したあの文字には、昨年急逝したロメロ御大への気持ちが込められている気がします。


終わりゆく世界だからこそ、より鮮烈に問われる人間の真価。
ゾンビ映画というジャンルに通底するテーマをまっこと見事に描き切った名作でした『カーゴ』。






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