映画

『ワンダーウーマン』Netflix配信を機にDCエクステンデッドユニバースを振り返る

2018年5月25日

『ワンダーウーマン』がNetflix配信で嬉しい~
この調子で『ジャスティス・リーグ』もオナシャス!

と言う訳で今回は、その『ワンダーウーマン』が属する広大な世界観「DCエクステンデッドユニバース(以下DCEU)」について語ってみたいと思います。

ライバルのマーベル社がクロスオーバー超大作『アベンジャーズ』を大ヒットさせたので「うちもやろう!」とばかりにDC社が発足させたDCEU。しかしその歩みはなかなか困難なようです(;^ω^)

 

 

 

『ダークナイト』三部作(2005~2012年)

ダークナイト (字幕版)

クリス・ノーラン監督による『ダークナイト』3部作はDCEUの前身と言える存在です。

バットマンの誕生からその戦いの結末までを描き切った同作は圧倒的な好評をもって受け入れられました。しかし逆に言えば唯一無二過ぎてクロスオーバーに向かず、DC映画のユニバース化企画は長らく停滞するという結果に。

しかも『ダークナイト』はとにかく話が暗く、のちのDC映画全般に「暗ければウケる」という悪しき風潮を刻んでしまいました。
映画自体は大傑作なんだけど(-_-;)

 

 

『グリーン・ランタン』(2011年)

グリーン・ランタン (字幕版)

緑色の銀河警備隊が宇宙の悪者を退治する! という大変夢溢れる設定のヒーロー映画。

実は本作を皮切りにクロスオーバーが企画されていました。なので、いずれはバットマンやスーパーマンも『グリーン・ランタン』と同じ世界観に登場する予定だったのです(当時はまだDCEUという構想はありませんが)。

しかし肝心の本作が超ド級の失敗作だったため企画自体が消滅。DC映画のユニバース化は2年後の『マン・オブ・スティール』までお預けになってしまいました。なおその間もライバルのマーベル社は『アベンジャーズ』をはじめヒット作を連発。そういう意味では今日の「マーベル>>>(越えられない壁)>>>DC」の流れをある意味決定付けてしまった一作と言えるでしょう。

ツッコミどころ満載過ぎて逆に『バトルシップ』のような狙って出せないバカ面白さがあるので個人的には大好きな映画なのですが、失敗は失敗。主演のライアン・レイノルズも『デッドプール』まで不遇を囲うハメになったのでした…。

 

 

『マン・オブ・スティール』(2013年)

マン・オブ・スティール(字幕版)
心機一転、DCEU本格始動の第一作がこちら。DCコミックスの看板キャラにして、アメコミというジャンルを代表する有名キャラ・スーパーマンを主役に据えた超大作です。

天才ザック・スナイダーの意匠が大いに発揮され、映像面では破格の迫力で見ごたえ抜群!
しかし一方で肝心のストーリーは賛否両論…。主人公のスーパーマンが人間と同レベルでうじうじと悩み、街を大破壊しながら悪者と戦い、あげくラスボスであるゾッド将軍を自らの手でブッ殺すという従来のイメージからかけ離れた人物像になってしまいました。

「誰も見たことがないスーパーマンを創る!」という意気込みはあっぱれですが、その結果が「誰も見たくないスーパーマンを創った」なら本末転倒も甚だしいというものです…。
という訳で決して駄作ではないものの、発足早々DCEUの先行きには暗雲が垂れ込めるのでした。

 

 

 

『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 アルティメット・エディション(字幕版)

バットマンとワンダーウーマンが合流し、がぜん賑やかになってきたDCEU第2弾。

スーパーマンとバットマンという二大ヒーローが激突するタイトルなので、一体どんな理由があって二人は戦うんだー!?と公開前には期待に胸を膨らませたものですが、見てみてがっかりまさかの人質ネタでした。それもうバットマンじゃなくてもいいヤツじゃん!

ただし擦れっ枯らしを極めた病的なバットマン像には惹かれるものがあります。より原作に忠実と言えるでしょう。屈折した主人公大好き!

ワンダーウーマンの説得力抜群の美しさも見どころです。出てきただけで見せ場をかっさらっていきました。それまでロクに話に絡んでこなかったキャラがクライマックスで唐突に大活躍したら普通は話がおかしくなるものですが、そんなケチはへのかっぱな圧倒的存在感でした。

 

 

 

『スーサイド・スクワッド』(2016年)

スーサイド・スクワッド(字幕版)

DCEU第3作は悪党が主人公という変化球。
悪役を主人公に据えたヒーロー映画はライバルのマーベルが未着手なので、DCが一歩リード! …になるはずでしたが、出来上がった『スーサイド・スクワッド』は上司の不祥事を部下が嫌々始末するというまったく盛り上がらないお話に。どうしてこうなった!

脚本の整合性がガタガタで、素人目にも「ああコレ作ってる途中で方針が二転三転したヤツだ」と如実に分かってしまう有様。ウィル・スミスは作劇上の必然性を無視して自分の大好きな「家族のために頑張るお父さん」を勝手に演じていたり、もう全てがちぐはぐです。
唯一輝くのはマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クイン。あまりの可愛さに同年のアカデミー賞メイク賞取ってました。

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『ワンダーウーマン』(2017年)

ワンダーウーマン(字幕版)

DCEU第4作にして遂に登場した文句無く面白いヒーロー映画

もう以前の記事↓で好き勝手書かせて頂いた詳細は割愛しますが、とにかくガル・ガドットの美しさが冴えわたる痛快無比なアクション大作です。

この作品の登場でDCEUは息を吹き返したのでした。

 

 

 

『ジャスティス・リーグ』(2017年)

ジャスティス・リーグ(字幕版)

DCEU第5作。そして一旦の集大成。
『ワンダーウーマン』から引き続き明るく楽しいヒーロー映画路線が採用されており、お祭り映画として間違いなく合格点の痛快作です。やったぜ!

しかしその弊害で話全体が軽くなっており、エピソード回収も超駆け足。メインヒーローの6人のうち、半分が今回初登場ってさすがに無茶だったんじゃない!?

 

 

『アクアマン』(2018年予定)

【コスベイビー】『ジャスティス・リーグ』[サイズS] アクアマン

筋肉ムキムキの見た目に反し『ジャスティス・リーグ』ではまさかの萌えキャラ担当だったアクアマンことアーサー・カリー。彼の単独出演作です。

アーサー役のジェイソン・モモアは俳優経験豊富で信頼できる御仁。そして監督は大傑作『ワイルド・スピード SKY MISSION』を生み出したベテラン、ジェームズ・ワン。盤石の布陣です。これは期待できる!
あと『ジャスティス・リーグ』では出番が一瞬だったけど、アーサーの妻のメラがめちゃくちゃカッコよかったので彼女の活躍も楽しみです。

『アクアマン』は既に撮影を終了し2018年内の公開を予定中!

 

 

 

『シャザム!』(2019年予定)

シャザム! :魔法の守護者(THE NEW 52! ) (DC)

シャザムことキャプテンマーベルを主役に据えた一作です。

シャザムのことは正直よく知らないです。
『キングダム・カム』での「純真さを政府に利用される」→「スーパーマンに退治される」という損な役回りや、ゲーム『インジャスティス』でスーパーマン(悪)に楯突いたせいで彼にブッ殺されるという損な役回りしか覚えていません。不遇キャラかよ。

『ジャスティス・リーグ』にも微塵も登場しなかったので、一体何が出てくるのか全く予想できません

設定的には…えーと「少年がシャザム!と魔法の呪文を唱えることでムキムキのおっさんに変身する」。なにソレ…(;^ω^)
『シャザム!』は既に撮影を終了し2019年の公開を予定中。

 

 

『ワンダーウーマン2』(2020年予定)

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待ち遠しすぎる『ワンダーウーマン』の続編は現在撮影中!
監督はもちろんパティ・ジェンキンスが続投。80年代くらいが舞台になるって噂もあるし、クリステン・ウィグが悪役やるらしいし、とにかく期待に胸が膨らみます!
2020年公開予定!

 

 

『グリーン・ランタン・コァ』(?)

グリーンランタン:シネストロ・コァ・ウォー Vol.2 (DC COMICS)

企画が浮いては消えるグリーンランタンの新作。
まったく情報が無いのでそもそも製作されるかどうかもアヤシイです…。まあ前述通り、グリーン・ランタンはDCにとって厄ネタなので慎重にならざるを得ないのかも。

なおグリーンランタン自体は『ジャスティス・リーグ』でチラッと登場しました(太古の戦争シーンなのでハル・ジョーダンではない)。既に布石は打ってる訳なので、何とか作ってくださいよDC! できればライアン・レイノルズ主演で!

 

 

『ザ・バットマン』(?)

デスストローク (ShoPro Books)

ベン・アフレックが「僕もうバットマン辞めます」→「やっぱ辞めません」→「やっぱ辞めます」をひたすら繰り返すので、今どうなってるのか正直良く分からない状況です。

ジェイク・ギレンホールが新たにバットマンやるって言ってみたりやっぱ違うって言ったり、『ザ・バットマン』自体DCEUとは別の世界観の話にするとか言ってみたりもうグダグダ。
誰か何とかまとめてくれー!!

なお『ジャスティス・リーグ』終盤に登場したデスストロークは一瞬の出番ながらマジでカッコ良かったので、彼がヴィランとして出てくるならもう諸手を挙げて大歓迎です。

 

 

 

『バットガール』(企画消滅)

DC Comics VARIANT PLAY ARTS改 バットガール(PVC塗装済みアクションフィギュア)

身内の不幸で仕事半ばに『ジャスティス・リーグ』監督を降板してしまったザック・スナイダー。彼の後任はまさかの『アベンジャーズ』の監督ジョス・ウェドンでした。

ジョスは「いつか『バットガール』を撮りたい!」という野望を持っており、それを可能にするためDCへ渡りをつけたかったのです。
かくしてマーベルからDCへ異例の移籍となったジョス・ウェドンでしたが…肝心の『ジャスティス・リーグ』が微妙な評価に終わり、その意欲もしおしおに。『バットガール』に抱いていたビジョンも見失い、とうとう「僕もう辞めます」宣言。『バットガール』の企画自体が消滅してしまいました。
そんな~(´;ω;`)

 

 

 

がんばれDCエクステンデッドユニバース!

こう書き出してみると逆風に継ぐ逆風ですねDCEU。
しかし日本人なら判官贔屓、負けている方ほど応援したくなるのが人情です。源頼朝より源義経。徳川家康より真田幸村です。
いやもうマーベル映画が面白いのは誰が見たって明らかなので、敢えてDC映画の面白さを拾いたくなりますやん!頑張れDCエクステンデッドユニバース!

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